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葬儀でいただいた供花のお礼って必要?どんな返礼品が良いか紹介!

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葬儀でいただいた供花のお礼って必要?どんな返礼品が良いか紹介!

葬儀では親戚だけでなくさまざまな方から香典、供花、弔電、供物などをいただきます。

これらに対しての御礼について迷われる方も多いのではないでしょうか。

そもそもお礼が必要なのかや、返礼品にはどんな品物を贈ればよいのか分からないという方もいるでしょう。

供花を送ってくださった方へ感謝を伝えるためにも、お礼状や返礼品を贈ることは必要ですが、香典の有無によっても異なります。また、返礼品の相場やお礼状の書き方についてもポイントがいくつかありますので、喪主の方はマナーも含めてしっかり知っておくと安心ですよね。

そんな方のために本記事では、供花に対する返礼品の相場や時期について解説していきます。

供花とお礼の必要性とは?

葬儀の際、祭壇や斎場に飾られているお花を「供花」といいます。贈られた供花には、故人と生前ゆかりのある人達から「故人のご冥福を祈っている」という思いが込められているのです。ここでは供花の意味やお礼の必要性について紹介します。

供花とは?

供花とは「きょうか」または「くげ」と読み、祭壇や祭儀場に飾られている花のことです。故人の霊を慰め供養し、故人への弔意を表していて、祭壇を華やかに彩る目的もあり、家族や親族、友人、会社の関係者などから贈られてきます。

供花は葬儀に参列できない方から香典代わりとしていただく場合が多いですが、参列された方から香典と共にいただく場合もあります。また、葬儀以外に故人の命日や、法事の際にいただく場合もあるでしょう。

供花の数え方は、供花が1つで1基(いっき)、2つで1対(いっつい)です。祭壇の横に飾られるのは生花が多く、親族や親しい友人から送られた供花から順番に飾ります。一対で贈られることが多く一般的ですが、最近では葬儀の小規模化や家族葬が増え、小さいスペースで行うことも多いので、1基のみで送られてくる場合もあるようです。

お礼は必要?

供花のお礼は基本的には不要とされています。

理由として、供花は本来「故人に対して弔意の気持ちを表す」意味で贈られるからです。しかし、「返礼不要」などと明記されていない限りは、返礼品やお礼状を贈った方がよいでしょう。遺族として、いただいたお気持ちに対して感謝の気持ちを伝えたいという思いもあります。辞退された方に対してはお礼状だけでも送ると、気持ちが伝わるし迷惑になりません。

また、地域によっては土地ならではの風習などがある場合もあるため、葬儀社や親族の詳しい人に確認をとりましょう。

関連記事:【例文付き】葬儀でいただいた供花のお礼はメールで良い?マナーや書き方を紹介

返礼品の相場と品物は?

供花への感謝を伝えるための返礼品ですが、いったい相場はいくらで、どんな品を贈ればよいか悩みますよね。ここでは供花に対する返礼品の相場や選び方、掛け紙について紹介します。

相場は頂いた金額の1/3から半額程度

供花へのお返しは「半返し」が基本です。半返しとは、いただいた金額の1/3から半額程度のお返しをすることを言います。

ただし、半返しといっても供花の相場がわからないと意味がありませんよね。まずは供花の相場について紹介します。

供花は籠盛りの花を脚付きのスタンドに載せたスタンドタイプが一般的です。白を基調にした生花で、胡蝶蘭・百合・菊などを供えることが多いですが、季節によっても異なります。故人の好きだったお花を選ばれることもあるようです。

また、供花には名前が記された立札が添えられているので、送り主が誰なのかわかるようになっています。

葬儀や通夜での供花は1基または1対の単位で注文されます。

・1基(供花単体)     7,500円~30,000円

・1対(供花1基が2個) 15,000円~60,000円

供花の費用相場の判断がつかない場合は、供花の大きさや花の種類、1基または1対で贈られたかなどをもとに、葬儀社の方やお花を受注したお花屋さんなどに相場の確認をとりましょう。

上記の相場を目安にお礼の相場を考えてみましょう。例えば15,000円程の供花をいただいた場合、5,000円〜7,500円程の品物を選ぶのが一般的です。香典も一緒にいただいた場合は、供花と香典の合計金額の1/3〜半額で準備しましょう。

故人の職場や、懇意にしていた取引先から供花が届く場合も少なくないでしょう。供花の立て札に会社名が明記されているのであれば、お返しは必要ありません。その理由は、会社名が記されている場合は、ほとんどの会社で「交際費」として計上されているからです。

ただし、個人名義でも誰が贈ったのか遺族がわかるように、会社名や肩書を明記してあることもあります。判断がつかないときは、送り主の住所を確認しましょう。

ポイント
・住所が会社の場合 お返しは不要
・個人の住所の場合 半返しする

他にも、会社の数名から1つの供花をいただいた場合、個別に返礼品を贈るのではなく、みんなで分けられるような小分けにできる菓子などを会社に贈りましょう。もし所属がそれぞれ異なっている場合は個別に贈る場合もあります。

また、会社関係者の方から贈られてくる供花でよくあるのが「返礼不要」と添えられている場合です。気を遣うあまり無理にお礼をすると、かえって相手の懇意を無下にしてしまい失礼になってしまいます。そのため「返礼不要」と添えられていたら、お気持ちをありがたく受け取り、返礼品は不要としましょう。代わりに、お礼状で感謝の気持ちを伝えることで相手に負担もかけず、失礼にもなりません。

職場の方には返礼品とは関係なく、菓子折りなどを差し入れすることも方法のひとつです。葬儀や忌引きで会社を休んでいる間、あなたの仕事をフォローしてくれていることなどを踏まえ、忌引き後に出社した際にお菓子などを持参し、感謝の気持ちを伝えましょう多様な考えの人がいる会社では、いくら「原則会社へのお礼は不要」といっても何もなしでは気が引けます。些細なことですが、人間関係を円滑に築くためにも準備しておくことをおすすめします。

返礼品の選び方

供花に対する返礼品の選び方は「消え物」と呼ばれる後に残らない品物を選びます。これは「不祝儀を後に残さない」という考えからです。また消え物とは、食べたり使用したりして消費できる、無くなるもののことです。ここでは返礼品として適している品とそうでないものを紹介します。

返礼品として適している品

・お菓子セット 

「消えもの」の代表格といえばお菓子です。低価格帯からも豊富な種類があるため、少額の供花のお返しにもむいています。相手の年齢やライフスタイルに合わせて選ぶと喜ばれるでしょう。

(例)クッキーの詰め合わせ、おかきのセット、焼き菓子のセットなど

・保存のきく食品

保存のきく食品の弔事のお返しの定番です。1ヶ月以上保存がきき、毎日の食卓にも使用しやすい食品を選びましょう。よくあるのは日本食に使用しやすい品です。なおかつ普段より高級感のある上質なものだと、感謝の気持ちも伝わりやすいですね。

(例)お茶漬け、お味噌、梅干し、海苔など

・国産の高品質のタオル

弔事においてタオルには「悲しみを包み込む」「悲しみを拭う」という意味を持っています。特に白いタオルは、故人の白装束などに白い布が使われることから、弔事のお返しの定番として人気です。

特に国産のタオルは機能性や肌触りがよく、贈られた相手にとっても感謝の伝わる嬉しい返礼品ではないでしょうか。

(例)今治タオル、泉州タオル、おぼろタオル

・お茶や珈琲

お茶は境界を区切る意味があるとされ、故人を送り出しお別れすることを表しているとされます。また、お坊さんが仏壇にお茶を供えていたことから、仏教とのつながりも深く、弔事のお返しとして選ばれています。最近では愛飲者も多い珈琲も人気です。

・石鹸や洗剤

石鹸や洗剤には「不幸を洗い流す」や「健やかに過ごす」という意味があります。どのご家庭にも世代を問わずご利用いただけるため、返礼品として適しています。

・弔事の返礼用カタログ

最近ではカタログギフトも人気です。予算はこちらで決めておいて、カタログギフトを贈り、その中から自分で選んでもらうので、「いらないもの」を送ってしまう心配はありません。喪主も葬儀やそのほかの手続きで忙しく、思うように返礼品を選べない場合などにカタログギフトを利用すれば、相手に失礼のない返礼品を贈れるので助かります。

返礼品として弔事の場合はタブーとされる品

弔事の返礼品として避けるべき品物もあります。

・四つ足生臭もの

四つ足とは四つ足で歩く動物「豚や牛の肉」のこと、生臭ものとは魚の生臭いにおいのことを指します。これらは、殺生を連想させることから仏事では避けるべきとされていることに加え、傷みやすいことも理由のひとつです。

・お酒、昆布、鰹節

お酒や鰹節、昆布は慶事で使用されることが多く、おめでたいイメージが強いため、弔事の返礼品として避けられることが多いです。

・日持ちのしないお菓子

お菓子は返礼品として適していると紹介しましたが、生クリームを使ったものや、常温で日持ちができないお菓子は避けましょう。

掛け紙をかける

返礼品には必ず弔事用の掛け紙をかけて贈ります。掛け紙とは品物を包む紙のことで、のしの飾りがついていないものを指します。

「のし」とは、もともと鮑を薄く伸ばして乾燥させた「熨斗鮑」のことで、縁起物として贈答品に添えられていました。現在ではイラスト化され、ご祝儀袋や慶事用ののし紙の右上に描かれています。弔事用は、のしが描かれていない掛け紙を使用しますので、間違えないように気を付けましょう。

供花の返礼品を包む場合は、黒白の結び切り、または黄白の結び切りが印刷された弔事用の水引を選びましょう。水引が結び切りになっていることにも理由があります。結び切りとは本結びのことで、一度結ぶと引っ張ってもほどけません。その様子から「一度きり」「繰り返さない」という意味を持ち、弔事だけでなく、繰り返さないようにとお見舞いや結婚などにも使用されます。

水引が印刷されたものが一般的ですが、実は略式です。もし、目上の人に返礼品を贈る場合は、本物の水引を使うとより丁寧な印象になります。

掛け紙の表書きは「志」か「粗供養」と記すことが一般的です。西日本では「粗供養」がよく用いられ、葬儀や法事に参列いただいたことや、香典、お供え物をいただいたことへの感謝を意味しています。地域や宗教によっては使用する言葉が異なり、関西地方〜西日本では「満中陰志」「粗供養」、中国地方・四国地方・九州地方の一部地域では「茶の子」と書く地域があります。

水引をはさんで上部に表書きとして「志」または「粗供養」と書き、下部に贈り主の名前を書きます。名前の書き方は、喪家名、喪主名(フルネーム)、連盟、旧姓などで記載されることが多いです。故人喪主の名字が同じ場合は、喪家の苗字+家で「〇〇家」と記載します。また、故人と喪主の苗字が異なる場合は、故人の苗字で記載しましょう。

受け取る相手が、誰から贈られたのかわかるようにすることが大切です。

供花のお礼を送る時期はいつまで?

供花をいただいた際、いつまでにお礼をするのがよいのでしょうか。

さまざまな理由で葬儀に参列できず、供花だけを贈ってくださった方へ対するお礼と、葬儀に参列し、香典と共に供花を贈ってくださった方に対するお礼とでは、お礼をする時期の目安が異なります。ここでは供花だけを受け取った場合と、香典と供花を受け取った場合に分けてお礼の時期について説明していきましょう。

参列なし・供花のみの場合

葬儀に参列出来なかった方から供花をいただくことがあります。その場合、葬儀後1週間を目安にお礼状を贈りましょう。あまりにお礼状が遅くなると、供花が届いたのか心配される場合があります。葬儀後はやることが多くなかなかお礼状が準備できない場合は、先に電話で直接お礼を伝えてもかまいません。供花をいただいたことへのお礼と、ご霊前に飾らせていただいたことの報告をするとよいでしょう。

参列あり・供花と香典

葬儀の際、参列してくださった方から、香典と共に供花をいただくこともあります。その場合、お礼状を添えて香典返しをするのが通例です。贈る時期は四十九日の法要後1週間を目安に、ご弔意をいただいた方への忌明けの報告を兼ねて返礼品を贈ります。このことを満中陰志(まんちゅういんし)といい、一般的に「香典返し」と同じ意味です。

押さえておきたいポイント

葬儀の際、いろんな方から供花をいただきます。そのため記録をとっておかないと、誰からどんな供花をいただいたのかわからなくなり、お礼をするときに困ってしまいますよね。そうならないために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

チェック

誰からいただいたのか把握しておく

供花をいただいた場合、必ず「誰から、どんな供花をいただいたのか」の記録をとっておきましょう。いただいた供花によって金額が違うので、お礼の相場を考える時にこの記録が必要です。また、お返しの金額間違いや、お礼をし忘れること自体を防ぐことができます。もし、供花の金額がわからないときには、葬儀場のスタッフや、受注した花屋さんに聞いてみると良いでしょう。

チェック

多めに用意しておく

供花は葬儀当日だけでなく、終わってからいただく場合もあります。自宅に弔問に訪れる方や、後で訃報を知り郵送してくる人などもいるため、返礼品の数は少し余裕をもって準備しておきましょう。もし、思わぬ人から急に供花を受け取った場合でも、すぐに対応できます。

チェック

お礼を辞退された場合

供花をいただいた際に、「お返しは不要」「返礼不要」と明記されたものが添えられて送られてくることがあります。この場合は、返礼品は不要です。良かれと思って返礼品を贈ると、相手の気遣いを無にしてしまい、かえって迷惑になってしまいます。とはいえ、何もしないのも失礼なので、別でお礼状や電話などでお礼を伝えると良いでしょう。

お礼状の注意点をご紹介!

お礼状を書くには、弔事のお礼状として失礼にならないように書かなければいけません。その際、気を付けなければならない注意点やポイントがいくつかありますので簡単に紹介します。

注意

はがきや封筒の選び方

お礼状は手書きでもパソコンによる印刷でも構いません。手書きの方が思いが伝わるという意見もありますが、字がきれいに書ける自信がない人や、手間を軽減する意味でも印刷を選ぶ方もいます。

お礼状ははがきや便箋を使用するのが一般的です。

供花のお礼状に用いるはがきは、白無地に黒かグレーの枠が入ったものを選びましょう。

便箋を用いる場合は、白無地の封筒に入れて投函します。表書きには「ご挨拶」と記載するのが一般的です。

注意

句読点は使わない

一般的に弔事のお礼状では句読点を使用しません。これには文章を区切る役割のある句読点を使用しないことで、葬儀や法事が滞りなく済むようにとの意味からきているという説があります。もし句読点を使ったとしても問題はありませんが、できるだけ避けた方が無難です。

注意

忌み言葉を使わない

同じ言葉を繰り返す「さまざま」「ますます」「重ね重ね」「わざわざ」などは忌み言葉と呼ばれ、悪いことが繰り返されないようにと意味合いを込めて、弔事のお礼状では避けられます。

注意

死を連想させる言葉を使わない

直接「死」を連想させる言葉も避けましょう。

「死」や「亡くなる」という直積的な言葉だけでなく、「忙しい」「終える」「葬式」などもお礼状に使用してしまいがちです。しかし、これも死や不幸を連想させるため、避ける必要があります。

供花のお礼は感謝を込めて

供花には「故人の冥福を祈り、故人の霊を慰め供養する」意味があります。故人への弔意を表していて、祭壇を華やかに彩る目的もあり、家族や親族、友人、会社の関係者などから贈られてきます。本来いただいた供花に対する返礼品は不要です。あくまでの個人に対する感謝や気持ちを表しているからです。しかし、供養の気持ちを表してくれた方々に対し、何のお礼もしないのは配慮に欠けています。

供花を送ってくださったことだけでなく、生前故人と親しくしてくれたことに対する感謝も込めてお礼状や返礼品を手配しましょう。返礼品を辞退された場合は、電話で直接感謝を伝えるか、お礼状を送ると相手に負担をかけずに感謝の気持ちが伝わります。

返礼品の相場は、いただいた供花の値段の1/3〜半返しです。供花の金額がわからない場合は葬儀場のスタッフやお花屋さんに確認をとり調べておきましょう。

返礼品には、弔事に適している品物とそうでないものがあります。品物は「消えもの」を意識し、贈る方の家族構成や年齢層なども踏まえて探すと喜んでもらえるでしょう。何を贈ればいいかわからない、選ぶ時間がないという方には弔事の返礼品用のカタログギフトをおすすめします。自分で選んでもらうことで、こちらの負担は減るし、相手は欲しい返礼品をもらえることが魅力的です。

お礼状は返礼品が不要な場合だけでなく、返礼品を直接渡せない場合にお礼状を添えて送ります。生前故人と親しくしてくれたことや、故人の冥福を祈ってくださったことへの感謝の気持ちを伝えましょう。

関連記事:【まとめ】葬儀から納骨までの流れや準備、注意点について解説します


監修者

海庵

僧侶でもあり、何度でもお墓の引っ越しができる「納骨堂転葬サービス」の会社、株式会社徳禅庵代表の海庵誠二です。お墓や終活、遺産整理に関するお役立ち情報を発信しております。


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