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【例文付き】葬儀でいただいた供花のお礼はメールで良い?マナーや書き方を紹介

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【例文付き】葬儀でいただいた供花のお礼はメールで良い?マナーや書き方を紹介

葬儀の際に供花をいただくことがありますが、供花には葬儀場に飾られ会場を華やかに彩るだけでなく、故人をしのび冥福を祈る気持ちが込められています。

では、葬儀や法事などで供花をいただいた場合のお礼は必要でしょうか。基本的には供花はあくまで故人に対する気持ちを表しているので、お礼は不要とされています。しかし、常識ある大人として、いただいたお気持ちに対する感謝を伝えることはごく自然なことです。その際、お礼状の書き方も知っておく必要があります。

この記事では、供花をいただいた際のお礼の時期や返礼品の相場と選び方、お礼状の書き方などについて紹介していきます。また、お礼状は書き方が決まっていることや、守るべきマナーがあるので注意が必要です。状況に応じたお礼状の例文も一緒に紹介していきます。

喪主が知っておきたい供花の意味

葬儀のとき、会場を彩っている供花ですが、喪主や施主の人はいただいた供花に対するお礼や返礼品をどうするかについて考えなければなりません。ここでは供花の持つ意味や、お礼の必要性について紹介します。

供花は故人に供えるお花

供花は「きょうか」または「くげ」と読み、故人に供えるお花のことです。故人の霊を慰めるとともに、故人への弔意を表しています。主に花籠やフラワースタンドは生花が多く、祭壇の近くには家族、親族、友人など故人と関わりの深い方から贈られた供花から順番に飾られていくのが一般的です。

お花の色は白色が基調となります。白色には弔いの意味があることから選ばれますが、白一色にする必要はありません。白色をベースに淡いピンクや紫、水色、グリーンなども交えて、故人のイメージに合ったものにするのも良いでしょう。お花の種類は菊や百合、カーネーション、などが人気です。注意点としては、いくら故人が華やかな色味が好きだったとしても、派手になりすぎないよう気を付けましょう。また、仏式の場合は、毒やとげのあるお花(紫陽花や鈴蘭、薔薇など)は避けるのがマナーです。

供花のお礼はどうすればよい?

供花は、故人の霊を慰めたり、弔うために贈られる供物です。そのことからお礼は不要とも考えられます。しかし、いただいたお気持ちに対して、感謝を示すことはごく自然なことです。そのため、「返礼不要」などの言葉が添えていない限り、返礼品やお礼状などで感謝を伝えましょう。また、返礼不要とあった場合は、返礼品を送ると帰って相手の迷惑になりかねません。相手の負担にならないように、お礼状だけ送りましょう。

供花のお礼の相場と品物の選び方

いただいた供花のお礼としてどんな品物が適しているのでしょうか。また、その相場はいくらなのか気になりますよね。ここでは供花のお礼の相場と適した品物、不適切な品物について紹介していきます。

供花のお礼の相場

供花のお礼の相場は、いただいた供花の金額の1/3が基本です。

供花の相場は、目安として一基7,500円〜15,000円ほどで、一対の場合は15,000円〜30,000円と一基の2倍の費用がかかります。

供花は大きさによっても金額が変わりますが、生花を使用する場合は、旬の時期によって花の種類や値段が異なるため、供花の金額にも影響するでしょう。供花をいただいた際は、贈り主が誰なのかだけでなく、どんな大きさでなんの花が使われるかなども一緒にメモしておくと、相場を知る手掛かりになります。

どうしても判断できない場合は、斎場のスタッフの方に確認してみるとよいでしょう。

供花のお礼として適している品物

供花のお礼としてどんなものが適しているでしょうか。返礼品として適切なだけでなく、せっかくなら喜んでもらえる品物を選びたいですよね。贈る相手の好みや家族構成、年代なども考慮して返礼品を選びましょう。

返礼品として選ばれるものは手元に残らない「消えもの」が一般的です。

具体的にいくつか紹介していきます。

例

・日持ちのするお菓子(クッキー・焼き菓子・おかきなど)

・うどん、そうめん

・お茶

・珈琲

・海苔

・お茶漬け

・国産高級タオル

・洗剤(石鹸・洗濯洗剤・台所用品洗剤)

消えものが選ばれる理由には「後に不祝儀を残さないように」という思いが込められています。

返礼品として贈る場合、普段使いする日用品であれば、一人暮らしでも家族が多くてもあれば助かりますし、子どもさんのいるご家族ならお菓子の詰め合わせなども喜ばれます。自分では買わないような高級海苔も返礼品としてもらうなら嬉しいですよね。

贈る相手の好みや、家族構成などを含めて返礼品を選ぶと、相手の負担にならずに済み、また喜んでもらえます。最近では専用のカタログギフトを用意している式場が多くなってきました。自分で直接準備する時間がない場合や、相手に自分で選んでもらえることで喪主側の負担が軽減すること、複数人に対応できることなどから選ばれています。

供花のお礼として不適切な品物

供花のお礼として不適切な品物は「生もの」です。よく言われるのは「四つ足生臭もの」は避けるべきだとされています。

四つ足は牛肉、豚肉などの家畜を、生臭ものは魚などを指します。いずれも殺生を連想させることから、仏事では避けることがマナーです。また、鰹節や昆布、お酒などは慶事のイメージが強いため、弔事の返礼品としては相応しくありません。理由がない限りは、慶事を連想させるような品物は避けましょう。

先ほど返礼品としてお菓子がいいと記載しましたが、前提として「日持ちする」という条件がつきます。いくら美味しいからと言って、生クリームなどを使ったお菓子は日持ちしないので避けましょう。返礼品には常温でも保存可能で、日持ちするものが望ましいです。

関連記事:葬儀でいただいた供花のお礼って必要?どんな返礼品が良いか紹介!

お礼の品には掛け紙をかけて

掛け紙とは品物を包む紙のことで、弔事ではのしがないものを選びます。供花のお礼として返礼品に使用する掛け紙は、「白黒の結び切り」または「黄白の結び切り」の水引が印字されたものを選びましょう。

最近ではすでに水引が印字されてあるものが一般的に使われていますが、実はこれは略式です。もし目上の方に贈る場合は、正式な水引を使用するとより丁寧な印象になります。

掛け紙の表書きには「志」もしくは「粗供養」と記入し、水引を挟んでその下に送り主である喪主の氏名を記載しましょう。

なお、「志」や「粗供養(西日本に多い)」には葬儀や法事に参列いただいたことや、香典、お供え物をいただいたことに対する感謝・お礼を表しています。

【ケース毎】供花のお礼の時期

供花のお礼を贈る時期は、参列なく供花のみをいただいた場合と、参列し香典と共に供花もいただいた場合では、それぞれ贈る時期が異なります。ここでは詳しい時期について紹介していきます。

チェック

参列なし、供花だけの場合

何らかの理由で、葬儀に参列することができなかった方から供花をいただいた場合は、なるべく早くお礼状を贈ることが望ましいです。お礼状が届かないと、葬儀に供花は間に合ったのか、きちんと届いたのか不安に思う方もおられます。不要な心配をさせないように、葬儀後1週間を目安にお礼状を送るように準備しましょう。そうはいっても葬儀後は慌ただしく、なかなかお礼状の準備が進まないという方も多いのではないでしょうか。お礼状の用意が間に合わない場合は、先に電話やメールでお礼を伝える方法もあります。本来であればお礼状を贈るのが望ましいですが、事前にお礼と感謝を伝えておけば、お礼状が多少遅くなっても失礼にはならないでしょう。

ただしお礼状をメールだけで済ませようとすることはあまりおすすめしません。一定数の方はお礼状に対して礼儀の一環として捉えている方もいるため、メールのみとするには故人との関係性も含めて考える必要があります。

チェック

参列あり、供花と香典ありの場合

葬儀に参列した方から供花と香典の両方をいただいた場合は、香典返しと同様に満中陰志に返礼品を送るのが望ましいです。

満中陰志(まんちゅういんし)とは、四十九日法要を終えた後にご弔意をいただいた方に対して、忌明けの報告と香典返しを兼ねた返礼品のことです。中陰とは亡くなってから49日間のことを指します。

四十九日の法要が終わってから1週間を目安に、返礼品を送るように準備しましょう。その際、お礼状も忘れずに添えて送るように気を付けてください。

供花のお礼状と書き方を知ろう

お礼状を書く際には、守るべきマナーや、押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここからは供花のお礼状に適したはがき、封筒の選び方、お礼状の書き方について解説していきます。

お礼状に適したはがき、封筒とは?

供花のお礼状を準備する場合、感謝の気持ちを伝えるためにもなるべく手書きで作成することが望ましいです。手書きでお礼状を準備する場合は、はがきや便箋を使用するのが一般的です。

はがきの場合は、白無地に黒やグレーの枠が入ったタイプのものを選びましょう。

便箋の場合は、白無地の封筒を準備します。表書きには「ご挨拶」と記載するのが一般的です。なお、茶封筒は冠婚葬祭には適していないため、注意しましょう。

お礼状は手書きのものが望ましいですが、字に自信のない方や、人数が多く手書きだと間に合わないなどの場合には、パソコンで文章を作成し、印刷する方法でも構いません。

お礼状の注意点とポイント

お礼状を書く際は、気を付けておきたいポイントや注意点があります。これができていないとマナー違反ですし、相手に不快な思いをさせてしまうので、しっかり押さえておきましょう。

お礼状の注意点

忌み語とは、不幸なことが重なることを連想させる言葉や表現、直接的に死や不幸・苦しみを連想させる言葉のことを指します。同じ言葉を繰り返すような「ますます」「いろいろ」「重ね重ね」「度々」などの表現は、弔事では避けましょう。これは悪いことや不幸がこれ以上重ならないように、続かないようにとの思いからです。

他にも、「死」「亡くなる」「忙しい」「終える」「葬式」などの、死や不幸を連想させるような表現も避ける必要があります。

お礼状を書く際に使ってしまいがちですが、他の言葉に置き換えるように工夫しましょう。

普段文章を書く際は、「、」「。」などの句読点は必ず使用しますが、お礼状を書く際には使用しません。

これは句読点には文章と文章を区切ったり終わらせたりする役割があることから、縁起が悪いとされているからです。

供花のお礼状でも句読点は使用しません。ただし、そのままだと読みにくいので、句読点の代わりに空白(スペース)を空けることによって、文章を区切ると読みやすくなります。

お礼状の内容・書き方

お礼状には何を書けばいいのかわからない人もいるかもしれません。ここからはお礼状を書く際のポイントを3つ紹介します。

まずは供花を贈っていただいたことに対しての感謝の気持ちを伝えます。お礼状を書く際は「故人の名前」「供花(もらったもの)」「感謝の気持ち」を3点セットで記しましょう。

次に、供花を霊前に飾ったことについて報告します。供花を無事うけたとったことや、霊前に飾ったことなどを伝えましょう。

結びの挨拶は「略儀ながら」や「末筆ながら」を用いて挨拶します。お礼状の最後に挨拶の言葉を記すことで、「直接お会いできず、手紙でのお礼ですみません」という気持ちが相手に伝わります。

お礼状の例文

ここまでお礼状の書き方や、避けるべき表現、気を付けるべきポイントについてお伝えしてきました。これらを踏まえた上で、実際にお礼状を書いてみましょう。下記ではお礼状の例文を3パターン紹介します。

例文①メールでお礼を伝える場合

※紹介したポイントを押さえつつ、硬くなりすぎないような表現にしましょう。

例

件名:総務課〇〇 〇〇〇より 供花のお礼

本文:

総務課のみなさま

この度は亡父〇〇(故人名)の葬儀に際しまして ご多用中にもかかわらず立派なご供花をただきまして 誠にありがとうございました

謹んでお受けし 霊前に飾らせていただきました

みなさまからのお花に 父も慰められたことでしょう

また お陰様で無事に葬儀を営まさせていただきましたことも 合わせてご報告いたします

みなさまからの温かなお心遣いに感謝申し上げるとともに 今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう宜しくお願い申し上げます

本来であれば みなさまに直接お会いしてご挨拶申し上げたいところではございますが

取り急ぎメールにてお礼のご挨拶を申し上げます

総務課〇〇 〇〇〇

TEL:○○○-○○○-○○○○

mail:○○○○○○@○○.com

例文②お礼状のみの場合

例

拝啓

この度は 亡父(続柄)〇〇(故人名)の葬儀に際し 立派なご供花を賜りまして 誠にありがとうございました

謹んで霊前にお供えさせていただきました 

故人もさぞかし感謝していることと存じます

○○○○様のご芳情に感謝申し上げます

本来であればお伺いし 直接お礼を申し上げたいところではございますが 略儀ながら書中にてお礼のご挨拶を申し上げます

敬具

令和〇〇年〇〇月〇〇日

住所

喪主〇〇〇〇〇〇

外 親族一同

例文③お礼状と一緒に返礼品を送る場合

例

謹啓

先般 亡父(続柄)〇〇(故人名)の葬儀に際しましっては御多用中にも関わらず ご会葬をいただき かつご丁重なるご厚誼を賜り誠に有難く 厚く御礼申し上げます

おかげさまをもちまして 〇〇月〇〇日に四十九日の法要を滞り無く営まさせていただきました

つきましては ご芳志のお礼と致しまして 心ばかりの品を届けさせていただきます

何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます

本来であれば拝眉の上で御礼申し上げるべきところではございますが 略儀にて失礼とは存じますが 書中を持ってお礼のご挨拶を申し上げます

敬白

令和〇〇年〇〇月〇〇日

住所

喪主〇〇〇〇〇〇

外 親族一同

供花のお礼についての注意点

葬儀の際、供花をいただいた場合の注意点を2つ紹介します。後から「誰からもらった供花かわからない」などのトラブルを防ぐため参考にしてください。

供花のお礼についての注意点

誰からもらったかを把握する

葬儀場では当日も忙しいことでしょう。そのため喪主が全部ひとりでメモをするのは不可能です。受付を手伝ってくれる親族の方にも協力してもらい、「誰から、どんな供花をいただいたか、花の種類は何か」などをメモなどに残しておきましょう。返礼品を考える際の目安になるので、重要です。また、誰からもらったかを把握しておくことで、お礼のし忘れを防ぎます。

もし、供花の相場がわからない場合は、斎場のスタッフの方や、届けてくれた花屋さんに聞いてみましょう。

返礼品は多めに準備する

供花は葬儀当日だけでなく、訃報を後から知った方が郵送してくれたり、弔問に訪れた際にいただく場合もあります。そのため、急に返礼品が必要になる可能性も大いにあり得るでしょう。その時に「返礼品がない」では格好が付きません。想定外の人から供花をいただいてもすぐに対応できるように、返礼品は多めに用意しておくと安心です。

返礼品を辞退された場合は、お礼状だけ送る

供花をいただいた場合、お礼は不要という考え方もありますし、地域によっても違いはあると思います。しかし、供花は故人に対する供養や慰め、弔意を表したものなのです。いただいた思いに対する感謝を伝えるためにも、お礼を辞退された方以外には、できるだけお礼を贈りましょう。お礼(返礼品)を辞退された方には、お礼状だけをお送りします。お礼状だけなら相手の方へ負担はかかりませんし、感謝の気持ちも十分伝わるでしょう。

本記事でご紹介した基本を踏まえた上で、供花をいただいたことに関する報告と感謝を述べましょう。また、直接会ってではなく手紙でのお礼になってしまいすみませんという気持ちを「略儀にて」などを使い最後にお礼を伝える文章にすると相手にも思いが伝わります。お礼状では、故人との生前の関係性や、供花に対する心遣いに感謝の気持ちを伝えられると、今後の関係も円滑に進むでしょう。

本来であればお礼状で感謝を伝えることが望ましいですが、何らかの事情でお礼状が遅れる場合は電話やメールで先に連絡しておくことも可能です。後から正式にお礼状を贈ればより丁寧な印象を相手に与えるでしょう。

是非、供花のお礼が必要な際は今回ご紹介した例文を参考にしていただければ幸いです。

関連記事:【まとめ】葬儀から納骨までの流れや準備、注意点について解説します


監修者

海庵

僧侶でもあり、何度でもお墓の引っ越しができる「納骨堂転葬サービス」の会社、株式会社徳禅庵代表の海庵誠二です。お墓や終活、遺産整理に関するお役立ち情報を発信しております。


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