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納骨堂の費用は安い?相場や樹木葬・一般墓との比較で詳しく解説

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納骨堂の費用は安い?相場や樹木葬・一般墓との比較で詳しく解説

納骨堂にはどれくらいの費用がかかって、どのような供養の方法があるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

「実際に納骨堂の相場ってどれくらい?」

「他の供養の方法と比べてどうなの?」

そのように思われる方に向けて、本記事では納骨堂の費用相場や種類、樹木葬や一般墓との比較について詳しく解説します。もし、これから検討されるのであればぜひ、最後までご覧ください。

Contents

納骨堂とは?役割や管理の方法

納骨堂とは、建物の中に故人の遺骨を安置してくれる場所で、遺族や友人が故人を供養するための施設です。

納骨堂の目的として、故人を安らかに送ることや遺族や友人の心の支えとなることが挙げられます。実際に故人の遺骨を信頼できる納骨堂に納めることにより、遺族や友人は遺骨の管理を安心して任せることができます。また、故人としても、安息や尊厳が保たれることから、現在では多く利用されています。

納骨堂の具体的な役割としては以下のようなものが挙げられます。

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遺骨の収容

最も基本的な役割としては、故人の遺骨の収容場所を提供することです。納骨堂は、故人の遺骨を慎重に管理し、遺族や関係者が安心して供養できるように設計されています。

関連記事:納骨堂に入れるのは何人まで?いっぱいになった時の対処法を種類ごとに解説

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供養と記念

故人をしのび、供養する場所として利用されます。遺族や友人が故人を思い出し、祈りを捧げることができる場所です。

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家族の繋がりを維持

納骨堂は、家族の代々の歴史を繋ぐ重要な役割を果たします。家族や親族が集まり、共に故人をしのび、家族の結びつきを深める場所として活用されます。

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遺族の精神的な支え

故人の遺骨を納めることで、遺族や関係者に精神的な支えを提供します。故人が安らかに眠る場所を把握することで、心に安心をもたらし、喪失感や悲しみを和らげます。

納骨堂の運営方法|3パターン

また、納骨堂の管理や運営に関しては、以下の3つに分けられます。

納骨堂の運営方法

お寺が運営する場合

寺院内で納骨堂を運営するタイプがあります。特徴としては、供養や法要の面が充実しており、場所によっては住職が毎日お経をあげるなど手厚く供養を行なってくれます。また、寺院によっては檀家や信徒になる必要がある場合もあります。

自治体が運営する場合

都道府県や市町村などの自治体が運営するタイプもあります。一般的に公営の納骨堂と呼ばれており、大きな特徴として、他の管理の納骨堂と比べ低価格です。また、信徒などを問われることもありません。ただし、低価格という点に加え、後継者が必要などの申し込み条件があることや、希望者が多く倍率が高いため簡単に納骨をすることが難しい場合もあります。

宗教法人や財団法人などが運営する場合

一般的に民営の納骨堂と呼ばれており、宗教法人や財団法人、公益法人などが運営をするタイプもあります。運営元は寺院になるので、お寺が運営する場合とあまり違いはありませんが、檀家や信徒になる必要がありません。また、広告や販売を民間の企業が代行しているという点が特徴として挙げられます。

関連記事:跡継ぎがいないお墓はどうする?対処法や納骨堂の永代供養について解説

納骨堂の費用の相場はどのくらい?

納骨堂といえば一般的には一般墓と比べ費用を安く抑えることができます。しかし、納骨堂のタイプや供養の方法、地域などによっても費用は大きく異なります。「第15回 お墓の消費者全国実態調査」によると、2024年の一般的な納骨堂の平均購入価格は、80.3万円となっています。

この費用の内訳としては、永代使用料や開眼供養代、納骨法要代、戒名代、位牌代などが含まれています。ここでは、大まかに分けて解説をしますが、実際の細かい内訳に関しては、納骨堂によって異なるため、料金表などをしっかりとチェックすることが必要となります。

関連記事:納骨堂にかかる費用の相場とは?支払う人や方法、内訳も詳しく解説

納骨堂の費用

永代使用料

永代使用料とは、納骨堂の使用費用のことです。相場としては40〜70万円となっています。但し、納骨するスペースやプラン、参拝時のサービスによって異なります。

ですが、永代使用料は必ずかかってくる費用になるため、契約後に後悔しないように事前にしっかりと調べて検討するようにしましょう。

納骨法要料

納骨法要料とは、遺骨を納骨する際に、住職にお経を上げてもらうお礼として渡す費用となります。相場としては3〜5万円となっております。

納骨法要料は、支払うタイミングが納骨堂によって異なります。そのため、どのタイミングでの支払いになるかを契約前にしっかりと確認しましょう。

回忌法要料

回忌法要料とは、四十九日や三回忌など節目を迎えた際の法要にかかる費用となります。相場としては1回につき3〜5万円となっております。

回忌法要料は、永代使用料に含まれている場合や個別に支払う場合など納骨堂によって異なります。どのタイミングでどれだけの支払いが発生するのかしっかりと確認をしておくようにしましょう。

また、納骨堂にかかる費用として、上記の初期費用だけでなく、納骨堂を維持をするための管理費用もかかる場合が多くあります。管理費用の内訳としては、敷地の清掃や人件費、備品などにかかる費用が含まれています。管理費用は基本的に年間1万円程度となることが多いです。ただし、管理費用の細かい内訳に関しても初期費用と同様、納骨堂によって異なるため、契約前に料金表などをしっかりとチェックしておきましょう。

納骨堂の契約を検討する際には、そのほかにもチェックをしておいた方が良い内容があります。例えば、納骨堂がどの地域にあるのか、アクセスはどうなのか、サービス内容には何が含まれているのかなどが挙げられます。例えば、参拝をするために必要な交通手段が整っているか、管理体制が整っているかなど将来的なイメージをしっかり持っておくことが重要です。決して小さな金額ではありませんので、契約後にトラブルに巻き込まれたり、後悔をしないためにもしっかりと様々な角度からチェックを行い検討すると良いでしょう。

関連記事:納骨堂の遺骨の移動の方法は?費用や手続きについて

【主なタイプ別】 納骨堂の費用

納骨堂には、様々なタイプがあります。タイプごとに形態や費用が異なります。ここでは、7つのタイプの特徴や費用について解説します。

ロッカー型

ロッカー型納骨堂の一般的な相場は、20〜80万円程度です。

ロッカー型納骨堂とは、扉のついている同じ大きさのロッカーが棚状になっているタイプです。コインロッカーのような形状で構成されています。ロッカー型納骨堂は、購入した区画の中に、骨壷や故人の写真、位牌、お供物などを置くことができます。ろうそくやお香などの火を使うものは基本的に置くことができません。

また、参拝時には、ロッカーに向かってではなく、共有の礼拝スペースがあるため、そこで手を合わせるのが一般的です。

ロッカー型納骨堂の費用で特徴となるのが、上段より下段の方が安い場合が多いということです。また、家族用の上限が4人程度のタイプより、個人のタイプの方が費用は安いです。

ロッカー型納骨堂をご検討される際は、これらの点もチェックをした上でしっかりご検討されることをおすすめします。

仏壇型

仏壇型納骨堂の一般的な相場は、50〜150万円程度です。

仏壇型納骨堂とは、上段に仏壇を置き、下段に納骨スペースがあるタイプです。下段の納骨スペースには、骨壷や故人の写真、位牌、お供物などを置くことができます。ロッカー型と大きく異なる点として、上段にろうそくやお香などの火を使うものをおける場合もあります。ただし、納骨堂によっては、屋内であることから火を使うものが禁止されている場所も多いので、電池式のろうそくやお香などがよく使われています。

また、共有の礼拝スペースで参拝をするロッカー型と違い、上段に仏壇が置けるため、その場で参拝をすることができます。

スペースが広く複数の代に渡って納骨ができることや、装飾も美麗なものが多いため、ロッカー型と比較すると費用の相場は高くなります。

仏壇型納骨堂は、家族用として契約をされる方が多い傾向にあります。ご検討される場合には、将来的に複数の代に渡って納骨をするかどうかなども考えてみると良いでしょう。

自動搬送型

自動搬送型納骨堂の一般的な相場は、80〜150万円程度です。

自動搬送型納骨堂とは、利用者がICカードなどを用いることで、遺骨が収納されているスペースから自動で共有の参拝スペースに運ばれて来て、その場で参拝をするタイプです。収納スペースには、骨壷や故人の写真、位牌、などを置くことができます。

自動搬送型納骨堂の大きな特徴として、都心や駅前に建てられていることが多いため、参拝がしやすいことや、普段は建物内部に収納されているためセキュリティ面が万全であること、他のタイプと比べると施設内に納めることのできる遺骨の母数が多いことなどが挙げられます。

自動搬送型納骨堂は比較的新しいタイプになるため、ビル型納骨堂やマンション型納骨堂、可動式納骨堂など、様々な呼び方があります。

都心や駅前にあり、土地代が高いことや設備の投資額が大きいことから費用としては高めになっています。有名な寺院であれば数百万円以上するものもございます。

ご検討される際には、セキュリティなどの設備がしっかりしているか、アクセスが良いかなどをしっかりとチェックした上で考えてみると良いでしょう。

合祀型

合祀型納骨堂の一般的な相場は、3〜10万円程度です。

合祀型納骨堂とは、複数の遺骨を一つの区画に合祀(または合葬)するタイプです。特徴としては、一つの区画に複数の遺骨が収められ、スペースの有効利用が可能なことです。遺族や関係者が一つの区画を共同で利用し、供養やお参りを行います。

費用を抑え、参拝が手軽にできるという面がメリットとして挙げられる反面、合祀になると遺骨を戻すことができないため、ご検討される際にはそういった内容を特に意識した上で考えるようにしましょう。

【その他のタイプ別】納骨堂の費用

墓石型

墓石型納骨堂の一般的な相場は、50〜180万円程度です。

墓石型納骨堂とは、一般墓と同じように墓石を用意するタイプです。通常の一般墓と同じく、お線香をあげたり、お花などをお供えすることができます。一般墓との大きな違いとしては、室内での管理になるため、天候に左右されず参拝ができることや、管理が楽な点が挙げられます。また、あくまでも納骨堂ですので、継承者等も必要ありません。

墓石型納骨堂の特徴として、通常の一般墓と同じく家族など複数人の遺骨を納めるケースが多いです。さらに、名前の通り墓石が必要となるため、費用も高くなる傾向にあります。

ご検討される際には、特に管理や費用の面で一般墓と比較して、どちらが適しているのか、という点を考えてみると良いでしょう。

位牌型

位牌型納骨堂の一般的な相場は、10〜30万円程度です。

位牌型納骨堂とは、個人の戒名や没年月日などが書かれた位牌を並べて供養するタイプです。基本的に位牌と遺骨は別の場所での管理となり、遺骨はまとめて管理されるか、合祀をします。ただし、納骨堂によっては、位牌と遺骨を一緒に置くタイプもあります。

位牌型納骨堂は、専用のスペース自体は少なく、また合祀になるケースも多いため、比較的費用を抑えることができます。

費用を抑え、参拝が手軽にできるという面がメリットとして挙げられる反面、合祀になると遺骨を戻すことができないケースや、そもそも遺骨が見えないこともあるため、ご検討される納骨堂がどういったタイプなのかをしっかり確認した上で考えるようにしましょう。

神棚型

神棚型納骨堂の一般的な相場は、50〜100万円程度です。

神棚型納骨堂とは、神棚を模した形状のタイプです。遺骨や骨壺が神棚の中に並べて収められ、祭壇のようなスペースで供養やお参りが行われます。

神棚型の納骨堂は、寺院のような日本の神道や仏教の信仰に基づく供養施設として利用されることが多いのが特徴です。

神棚型の納骨堂は寺院ではなく、神社が経営していることが多く、神道向けの納骨堂となっています。ご自身の家が神道を信仰しているかどうかが重要となりますので、ご検討の際には、そういった点もしっかりと確認をしておくと良いでしょう。

関連記事:【解説】お墓に固定資産税はかかるの?その他の税金についても詳しく紹介

納骨堂と樹木葬の違いとは

ここまで納骨堂の種類や特徴、費用について詳しく解説しました。納骨堂を選ぶ際のポイントがイメージできた方もおられるのではないでしょうか。ここでは、樹木葬についての特徴や、納骨堂との違いについて詳しく解説します。

樹木葬とは

樹木葬とは、本来墓石を使用して埋葬するのが一般的なのに対して、樹木を墓標とした埋葬方法のことです。元々は山の中で遺骨を埋葬し、そこに樹木を植えるという埋葬方法のことをいいます。1990年代に自然環境に配慮している方法として支持され始めました。

現在では、お墓の継承問題や、墓地としての土地不足などの問題が多く上がってきており、継承者が不要なことや一つの土地に多くの遺骨を埋葬できることから注目を集め始めています。

関連記事:【必見!】樹木葬の実態は?特徴やメリット・デメリット、利用者の声を紹介

樹木葬の種類と特徴

樹木葬にはいくつかの種類があります。ここでは、大きく4つに分けて紹介します。

樹木葬の種類

合葬・合祀型は、複数の遺骨を一つにまとめて埋葬するタイプです。多くの遺骨をまとめて供養するため、他のタイプと比べて費用が安く抑えられることが大きな特徴です。また、共同墓地などで管理されるため、清掃などの必要がなくなるといった特徴もあります。

都市型・公園型は、都市部やその近郊の公園や霊園の一角で行われるタイプです。名前の通り、都市部に位置することが多く、交通の便が良いため参拝に行きやすいという特徴があります。また、公園内がきちんと整備されていることが多いので美しい景観の中で参拝を行うことができます。

庭園型は、庭園やガーデンのような美しい場所で行われるタイプです。花や植物に囲まれた環境で埋葬されるため、園芸が好きな方に人気があります。季節ごとに異なる花や植物が楽しめることや、個別にスペースが設けられているため、心地よいスペースで参拝をすることができます。

里山型は、里山や自然林などの自然豊かな環境で行われるタイプです。人里を離れた場所にあり、自然そのものの中で埋葬することができることが特徴です。自然の中で眠りにつき、自然に還ることができるので、落ち着いた環境が好きな方に人気があります。ただし、基本的には都市部から離れているため、参拝に行くことが少し大変という点もあります。

メリット

樹木葬のメリット

樹木葬のメリットについて4つに分けて解説します。

樹木葬のメリット

樹木葬の場合、墓石の購入が必要なく、初期費用を抑えることができます。樹木葬は、2024年平均購入価格は63.7万円とされており、一般墓と比べ費用が安いことが分かります。※第15回 お墓の消費者全国実態調査(2024年)より

しかし、タイプによって金額も変わる為、自分に合った樹木葬の相場がいくらなのかは検討段階でしっかりと調べましょう。

費用は納骨する人数によって上下します。例えば、お一人であれば20〜40万円程度、2人であれば60〜80万円程度、それ以上であれば80万円〜となっています。

一概に費用が安ければ良いというわけではありませんが、あまりお金をかけずに供養をしたいと考える方には一つの選択肢として考えるのも良いでしょう。

樹木葬は、基本的に永代供養となっており承継者が必要ありません。永代供養を霊園や寺院で行ってくれることが多く、管理費を払うことで任せることができる点が魅力の一つです。

お墓を子供達の世代に継承させるつもりがない、そもそも継承者がいないなど、後の世代に負担をかけたくないという方には大きなメリットのある選択肢でしょう。

ただし、永代供養をしていない霊園や寺院もあるため、検討する際にはしっかりと調べてから決めることが重要です。

樹木葬は、元々自然の中で眠り自然に還るという基本思想があります。そのため、キリスト教の人の納骨ができない、檀家にならなければならないなどの制約がないことが多いです。制約があると供養の仕方に決まりなどがあることや、埋葬地の選択肢が限られてしまうことがあります。そういった制限がなく、希望をすれば誰でも利用できるので宗派などにこだわりがない方には良い選択肢と言えるかもしれません。

ただし、中には入檀義務がある樹木葬もあるため、検討する際にはしっかりと調べてから決めることが重要です。

樹木葬では、墓石ではなく桜などの樹木を墓標とします。故人の好きだった樹木や花などを植えることも可能なため、生前に花などが好きだった方であればぴったりの選択肢かもしれません。

さらに、花や草木、樹木などに囲まれているため、霊園自体の雰囲気が明るく参拝者の心を穏やかにしてくれるのも魅力といえます。

ただし、遺骨の扱い方については、霊園や寺院によって異なるため検討する際にしっかりと調べてから決めることが重要です。

デメリット

樹木葬のデメリット

樹木葬のメリットについて先述しましたが、もちろんデメリットもありますので、ここでは、 3つに分けて解説します。

樹木葬のデメリット

樹木葬では、自然に還ることをテーマとしており、景観の美しさを維持するために、都市部から離れた自然の多い場所に位置することが多いです。特に里山型は自然豊かな環境で自然の中で眠りにつくという特徴があるように、都市部から離れた環境に限定されやすいため、必然的にアクセスの悪い場所になってしまうことが多いです。

ご検討を考えられる際には、アクセスの方法などをしっかりと調べてから考えられることが重要となるでしょう。

樹木葬では、一般墓や納骨堂などの複数の世代にわたって同じお墓に入ることが難しいケースも多く、複数の世代にわたって同じお墓に入ることを考える方がご家族におられる場合、理解を得ることが難しい可能性があります。

複数の世代で入れる契約をする場合、一般墓や納骨堂と比べて費用も高くなるケースも多く、そこから後継者とのトラブルにつながる可能性もあります。

ご検討される際には、ご家族としっかりと話し合いをした上で決定することが重要となるでしょう。

樹木葬では、永代供養をする場合が多く、合祀になる可能性が高いので、故人の遺骨を取り出すことができなくなる可能性があります。

もし、今後移動が必要な可能性がある場合はあまり向かないでしょう。ご検討される際には、今後移動が必要かどうか、合祀になるタイミングはいつなのかなどをしっかりと確認した上で決定することが重要となります。

納骨堂と樹木葬の違い

ここまでに樹木葬の特徴やメリット・デメリットを解説しました。では、納骨堂とどのような違いがあるのかここまでの内容を踏まえて解説します。

前述した通り、納骨堂は都市部や駅の近くなどアクセスが良い立地に位置することが多いです。樹木葬では、自然に還るという観点から都市部から離れた自然豊かな場所に位置することが多いです。

また、納骨堂は基本的に室内での参拝になることに比べ、樹木葬は屋外での参拝になるケースが多いです。そのため、参拝のしやすさや訪れやすさを考えると納骨堂の方が検討しやすい可能性が高いです。

2024年の納骨堂の平均購入費用は、80.3万円となっています。一方で、樹木葬の平均費用は、63.7万円となっています。

第15回 お墓の消費者全国実態調査(2024年)

どちらも様々なタイプがあるため、一概にどちらが安いとお伝えすることはできませんが、一般的には樹木葬の方が安いと思われる方が多いです。理由としては、前述の通り樹木葬は永代供養がほとんどのため、供養する費用や納骨する必要がなく、費用を抑えやすいためです。

ただし、供養の方法や人数によって大きく変わってしまうため、ご検討される際にはしっかりと比較をしてみると良いでしょう。

納骨堂と樹木葬で異なる部分がとても多く、どちらもメリットとデメリットが存在します。その中でどちらを選択するのかはご家庭やご自身の状況にあったものを選ぶことが重要となります。しっかりと話し合いや調べた上で検討をするようにしましょう。

納骨堂と一般墓の違いとは

次に、一般墓についての特徴や、納骨堂との違いについて詳しく解説します。

一般墓とは

一般墓は、お墓といえば一番馴染みのあるものではないでしょうか。墓石を購入し、寺院や霊園などに永代使用料を納めて建てるお墓のことです。家族や一族など家ごとに代々継承していくことの多い、最も伝統的なお墓として知られています。

その中でもいくつかのタイプに分かれており、家族墓、両家墓、個人墓、夫婦墓の4つに分類されます。

一般墓

家族墓とは、一般墓の中でも最も一般的なお墓です。家単位でのお墓のため、代々継承していくというのが大きな特徴です。墓石に家名や宗派の題目などを刻み、遺骨を地下の納骨棺に納めるタイプのため、自分の家系をしっかりと意識することができます。

ですが、最近では少子化などの影響から家族墓を選ばない方も増えているのが現状です。

両家墓とは、両家のお墓を一つに合わせて墓石に2つの家名を刻むタイプのお墓です。結婚をした際にどちらかのお墓だけの継承になることで、トラブルに繋がってしまう場合もあり、そのトラブルを防ぐために両家墓を選択する方も少なくありません。

両家のお墓を継承できることはとても魅力的ですが、両家がきちんと納得した上で選択をしないと結果的にトラブルにつながる可能性もあるので、話し合いの上両家が納得してから選択する必要があるでしょう。

個人墓とは、名前の通り一人だけのためのお墓です。以前は有名人や偉人など歴史的にも評価されているような人が選択するタイプのお墓でしたが、近年では、樹木葬や納骨堂を選択する人が増えたことで個人墓を建てる人はほとんど見なくなりました。

夫婦墓とは、名前の通り夫婦二人のお墓です。お子様がおられない方や後々の世代に負担をかけたくないという方が選択することが多くありました。

近年では、地元を離れ都市部に移動する人が増えていることや、少子化が進んでいることから次の世代にお墓を任せることができず、墓じまいをする人が増える傾向にあります。

良い部分も悪い部分もしっかりと理解することが大切です。

一般墓の種類と特徴

一般墓にもいくつか種類があります。ここでは、一般墓の種類とタイプ、特徴について3つに分けて解説をします。

一般墓の種類

寺院墓地とは、寺院の境内にある墓地のことです。管理や運営を寺院が行っており、葬儀や法要、供養など全て寺院に任せることができます。基本的には、檀家になることが条件である場合が多いですが、全て任せることができることを考えるとメリットの方が大きいと考えられます。

公営霊園とは、市町村などの自治体によって管理や運営されている墓地のことです。そのため、霊園が閉鎖や倒産してしまうリスクが少なく、長期的に考えた時に安心して任せることができます。また、基本的に宗派などに指定はなく、檀家になる必要もないため、誰でも利用することができます。

民営霊園とは、宗教法人や公益法人によって管理や運営されている墓地のことです。公営霊園と比べると申し込みする際の資格や、宗教などの指定も少ないため、公営霊園以上に誰でも利用しやすいのが特徴です。また、休憩所や無料送迎バスなどのサービスが充実しているところが多いのも民営霊園の特徴といえます。

メリット

一般墓のメリット

一般墓のメリットについて3つに分けて解説します。

一般墓のメリット

一般墓は一度建ててしまえば永続的に管理されるため、何代にもわたって遺骨を安置することができます。他にも、参拝のために親族が集まる機会などもある場合が多いので、家族や親族との絆を深める一つのきっかけにもなるなどのメリットがあります。

また、先祖について理解を深めることで、家族の歴史や伝統を感じることもできるだけでなく、その歴史や伝統を後世にも継承することができます。

昔は、シンプルな和型の墓石が一般的でしたが、現代では墓石のデザインや材質を自由に選ぶことができます。一般的な縦長の和型と違い、左右非対称の墓石や、ガラスを使用した墓石など様々な墓石を作れるというのが大きな特徴です。

故人の趣味や好みを反映させて作るデザイン墓石はオリジナリティをもち、故人の性格や想いを形にして残せる魅力があります。

現在では、一般墓の他に納骨堂や樹木葬など様々な供養方法があります。ですが、人によって価値観が異なり親族の間でトラブルが発生するケースも少なくありません。その点、一般墓は歴史と馴染みのある選択肢となり、トラブルにつながるケースも比較的少ないです。

一度購入することで、新たに区画を探して購入するといった負担がなくなることや、馴染みがあることで安心感をもてることなど、大きなメリットがあります。

デメリット

一般墓のデメリット

一般墓には様々なメリットがあることを解説しましたが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、一般墓のデメリットについて3つに分けて解説します。

一般墓のデメリット

一般墓を建てる場合、初期費用として墓石の費用や永代使用料がかかります。2024年一般墓平均購入価格は149.5万円となっており、さらに永代使用料は平均80万円前後かかります。

第15回 お墓の消費者全国実態調査(2024年)

また、初期費用だけではなく、年間管理費やお布施などの費用もかかるケースが多いです。費用面だけを考えると一番負担が大きいお墓になるため、事前にきちんと調べて準備する必要があるでしょう。

一般墓では、基本的に代々継承することが前提となっており、継承者がいない場合購入できない可能性があります。また、購入できた場合でも、購入者が亡くなった後継承する人がいない場合は無縁墓になる可能性もあります。

継承者がいないことで余計に負担が大きくなる可能性もあるので、事前に話し合いをしたり、将来的なビジョンをしっかりと持って検討する必要があるでしょう。

一般墓を購入された後、お墓の管理は全て家族でしなければなりません。お墓の清掃や草むしり、供物の交換など定期的に行わなければならないため、アクセスが悪かったり、プライベートが忙しく訪れることができないと管理が難しくなります。

一般墓を購入する際には、誰がどのような方法で管理をしていくのか、どのような管理の内容が必要になってくるのかなどをしっかりと調べて話し合いを行った上で検討する必要があるでしょう。

納骨堂と一般墓の違い

ここまでに一般墓の特徴やメリット・デメリットを解説しました。では、納骨堂とどのような違いがあるのかここまでの内容を踏まえて解説します。

納骨堂の平均費用は、前述のとおり80.3万円となっています。一般墓の平均費用は、149.5万円となっています。

第15回 お墓の消費者全国実態調査(2024年)

どちらにも様々な種類がありますが、一般的には納骨堂の方が安いといわれております。理由としては、前述した通り一般墓には墓石や永代使用料がかかります。納骨堂の場合は、墓石の購入などがないため一般墓より費用を安く抑えることができます。ただし、供養の方法や人数によって費用は異なりますので、ご自身の状況に合わせてしっかりと比較して検討をするようにしましょう。

一般墓では、一度契約をすると永代使用料の購入などもするので継承者がいる限り、半永久的にお墓の中に遺骨を納めることができます。納骨堂の場合、33年や50年が目安になるケースが多いです。期限や条件は納骨堂によって異なりますが、基本的にはそういった期限が決められています。

納骨堂の契約後に関しては、合祀になる場合が多いため、その場合は遺骨を取り戻せなくなるので注意しましょう。遺骨を将来的にどうするかによっても適した方法が変わってくるので、しっかりとその辺りも検討する際には考えておくようにしましょう。

一般墓は、墓石や区画内の管理を全てご家族で行う必要があります。管理の内容には、前述した墓石の清掃や草むしり、供物の交換などがあります。それだけはなく、墓石にひびがはいった場合、業者に墓石の修繕などを依頼する必要がありますが、それもご自身で行わなければなりません。納骨堂の場合は、管理するスタッフが存在しており、お墓だけでなく施設を清潔に管理してくれているため、維持管理が必要ありません。

納骨堂と一般墓でも異なる部分は多く、それぞれにメリット、デメリットがあります。その中で、どちらの選択肢を選ぶのかはご自身の状況であったり、家族や親族の希望や意志も考慮しなければなりません。特に、一般墓は何代にも渡って継承していくものになりますので、しっかりと話し合いを行った上で検討をするようにしましょう。

納骨堂は注目されています

本記事では、納骨堂にかかる費用についてや樹木葬・一般墓との違いなど様々な内容について解説しました。

納骨堂には様々な種類があり、かかる費用も大きく異なります。将来的にどれくらいの人数を納骨堂に納めるのか、多数ある中でどの立地の納骨堂を選ぶのかなど、考えておかなければならないことがたくさんあります。また、樹木葬や一般墓を検討したり、比較することもあるのではないでしょうか。その際にそれぞれのメリットやデメリットをしっかりと考慮した上で決定することも重要になります。

ご自身やご家族にあった供養の方法をきちんと選択できるようにしっかりと準備しておきましょう。

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監修者

海庵

僧侶でもあり、何度でもお墓の引っ越しができる「納骨堂転葬サービス」の会社、株式会社徳禅庵代表の海庵誠二です。お墓や終活、遺産整理に関するお役立ち情報を発信しております。


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