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納骨堂にかかる費用の相場とは?支払う人や方法、内訳も詳しく解説

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納骨堂にかかる費用の相場とは?支払う人や方法、内訳も詳しく解説

納骨堂にかかる費用の内訳をしっかり理解するのは難しいですよね。

「そもそも納骨堂にかかる費用に何があるかわからない」

「費用の支払いをいつすればいいかわからない」

そんなふうに悩まれていませんか?

本記事では、納骨堂にかかる費用や支払う人、注意点などを詳しく解説します。現在悩まれている方はもちろん、これから検討される方にとっても参考になりますのでぜひ、一度最後まで読んでみてください。

納骨堂にかかる費用

納骨堂にかかる費用には、さまざまな項目があります。ここでは、かかる費用を項目ごとに紹介します。

永代使用料

納骨堂を使用する際に必要な初期費用で、契約時に支払います。納骨堂の種類や供養方法、規模などによって費用形態が異なります。

永代供養料

永代供養料は、納骨堂に遺骨を納めた後、長期間にわたって供養を続けてもらうための費用です。永代供養料は一度支払うことで、寺院や霊園が責任を持って供養を行ってくれることを約束します。

一般的に、永代供養は17年や33年、50年といった法要年数を区切りとしている施設が多いです。契約期間中は定期的に僧侶が読経を行ったり、供養のための法要が行われたりします。

この費用には、供養に必要な人件費や設備維持費が含まれており、永代供養が終わった後も遺骨は適切に管理され、合祀墓などに移されることが一般的です。一度の支払いで長期間にわたる供養が保証されるため、多くの人々にとって安心できるポイントです。

管理費

管理費は、納骨堂を適切に維持管理するために必要な費用です。管理費は、毎年もしくは数年ごとに支払う必要があり、納骨堂の清掃、設備の維持、環境整備などに充てられます。

管理費を支払うことで、遺骨が安置されている環境が常に清潔で整えられ、参拝に訪れる人々が快適にお参りできるように保たれます。具体的には、建物の修繕やセキュリティの強化、庭園の手入れなどが含まれます。

管理費の相場は、納骨堂の規模や立地条件、施設の充実度によって異なりますが、年間数万円から十数万円程度が一般的です。こちらは、納骨堂が良好な状態を長期間、維持するために必要であり、遺族にとっても安心して利用できる環境を整えるための重要な費用です。

お布施

お布施は、故人の霊を供養するために行われる法要の際に必要となる費用です。法要は、忌日や年忌、祥月命日などに行われるもので、僧侶が読経をし、故人の冥福を祈る儀式です。

法要には、初七日、四十九日、一周忌、三回忌、七回忌など、様々な節目があります。それぞれの法要に対して、寺院や僧侶に法要料を渡す形でお布施として支払います。

お布施の金額は、法要の規模や寺院の規模、地域の慣習によって異なりますが、一般的には3万円から5万円程度です。

また、特別な法要や大規模な儀式の場合は、それ以上の費用がかかることもあります。お布施には、僧侶の読経に対する謝礼や、法要に必要な経費が含まれており、故人への敬意と感謝の気持ちを込めて支払われます。

関連記事:墓じまいして永代供養墓にしたときお布施は必要?相場とマナーについて

戒名料

戒名料は、故人に戒名を授けるための費用です。戒名とは、仏教で故人に与えられる霊名のことで、生前の名前とは別に、仏の世界での新しい名前として授けられます。

戒名は、故人が仏門に入ることを意味し、故人の信仰心や功績、家族の願いを反映したものです。戒名には、一般的なものから高位のものまで様々なランクがあり、それによって費用も異なります。

一般的な戒名料の相場は「信士」「信女」で5万円から20万円程度、「居士」「大姉」で15万円から30万円程度、「院号」になると50万円以上が相場となる場合が多いようです。

また、寺院や宗派によっても戒名料の設定は異なるため、事前に確認しておきましょう。戒名料には、戒名を授ける際の僧侶の労力や、戒名の意義を深めるための儀式費用が含まれており、故人への最大限の敬意を示すために支払われます。

関連記事:納骨堂の費用は安い?相場や樹木葬・一般墓との比較で詳しく解説

納骨堂にかかる費用を支払う人は?

それでは、納骨堂にかかる費用は一体誰が支払うのでしょうか。ここでは、先述した4つの費用について詳しく解説します。

永代使用料・永代供養料

故人や故人の家族(配偶者や子供)など多少家庭によって異なりますが、基本的には契約者が支払います。故人が独身であったり、直系の家族がいない場合は、近親者(兄弟姉妹や甥姪など)が支払うこともあります。故人が生前に永代供養の契約をしていた場合、その費用は故人自身が支払っていることもあります。

納骨堂の契約時に一括で支払うことが一般的です。納骨を行う前に、寺院や霊園と契約を結び、費用を支払います。

支払う際には、契約内容を十分に確認することが重要です。供養の期間や供養の具体的な内容(読経や法要の頻度など)、遺骨の取り扱い(永代供養の後に合祀されるかどうか)を確認し、納得した上で契約を結ぶことが大切です。また、契約者が故人の場合、亡くなった後に家族が困らないよう、契約内容は家族間で共有しておくようにしましょう。

管理費

管理費は、納骨堂を利用する家族が定期的に支払います。多くの場合、故人の配偶者や子供がこの費用を負担しますが、経済的に負担が大きい場合は、兄弟姉妹やその他の近親者が協力して支払うこともあります。

管理費は、通常、年単位で支払います。契約時に初年度の管理費を支払い、その後は毎年、指定された時期に支払うことが多いです。契約する納骨堂によっては、数年分をまとめて前払いすることも可能です。

管理費の支払いを怠ると、納骨堂の使用が制限される場合や、遺骨が移動されるリスクがあるため、期日を守って支払うことを忘れないようにしましょう。また、場合によっては管理費の増減や支払い方法の変更がある可能性もあるため、定期的に寺院や霊園と連絡を取り、最新の情報を確認しておくことをおすすめします。

お布施

お布施は、一般的に法要を依頼する家族が支払います。通常、故人の子供や配偶者が中心となって負担しますが、親族全体で分担することもあります。特に大規模な法要を行う場合は、費用を複数人で分担するケースが一般的です。

お布施は、法要を行う際に僧侶や寺院に支払います。法要の当日に支払うことが多いですが、法要の予約時に支払う方もいらっしゃいます。事前に法要の内容と費用を確認し、支払いの準備をしておくとよいでしょう。

法要の規模や内容によって費用が変わるため、事前に僧侶や寺院と十分に打ち合わせを行い、明確な見積もりをもらうことが大切です。また、法要の日時や場所の確認も怠らず、当日に混乱が生じないように準備を進めるようにしましょう。

戒名料

戒名料は、故人に戒名を授ける際に支払う費用で、通常は故人の直系家族が負担します。配偶者や子供が中心となって支払いますが、場合によっては兄弟姉妹やその他の近親者が協力することもあります。

戒名料は、戒名を授けてもらう時に僧侶や寺院に支払います。戒名のランクや内容によって費用が異なるため、事前に僧侶と相談し、戒名料を確認してから支払いを行います。

戒名の内容やランクによって費用が大きく異なるため、家族間で十分に話し合い、故人の意向や家族の予算に合った戒名を選ぶことが重要です。また、戒名を授けるタイミングや儀式の内容についても確認し、適切な準備を進めるようにしましょう。

納骨堂にかかる費用は、各項目ごとに支払う人とタイミングが異なります。基本的には、永代使用料・永代供養料は契約時に一括で支払われ、管理費は毎年定期的に支払います。お布施は法要の都度支払われ、戒名料は戒名を授ける際に支払います。これらの費用について、契約前だけでなく、契約後にも家族間で十分に話し合い、適切に負担を分担することが重要です。また、寺院や霊園との連絡を密にし、契約内容や費用の詳細を確認することで、トラブルのリスク低減にもつながります。

納骨堂タイプ別の費用

納骨堂の項目ごとの費用については、先述した通りですが、納骨堂のタイプによっても費用は異なります。参考までに、「第15回 お墓の消費者全国実態調査」によると、2024年の一般的な納骨堂の平均購入価格は、80.3万円となっています。

ここでは、タイプごとの費用の目安と特徴を詳しく解説します。

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ロッカー型

ロッカー型の納骨堂は、名前の通りロッカーのような個別の収納スペースに遺骨を納めるタイプです。ロッカー一つ一つが個別の納骨スペースとなっており、各遺族が自由に鍵をかけて管理できます。

ロッカー型の納骨堂は、都市部を中心に広がっており、スペースを有効に活用できるため、比較的低コストで利用できることが特徴です。費用の目安としては、地域によっても異なりますが、一般的な相場は、20〜80万円程度となります。また、年間の管理費は1万円前後となります。

ロッカー型は、アクセスが便利で、セキュリティ面でも優れているため、特に都市部に住む人々に人気があります。また、管理がしやすく、手軽にお参りできる点も魅力です。利用者は多くの場合、個別に設けられた小さな祭壇や仏具を置くスペースを持つことができ、手軽に供養を行えるようになっています。

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仏壇型

仏壇型の納骨堂は、伝統的な仏壇のようなデザインの個別スペースに遺骨を納めるタイプです。このタイプは、個別の仏壇が設けられ、それぞれの仏壇内に遺骨を安置します。仏壇型は、遺族が故人を身近に感じ、日常的に供養を行いたい場合に適しています。

仏壇型の納骨堂の費用はロッカー型よりも高く、50〜150万円程度です。また、年間の管理費は1万円前後です。

仏壇型の納骨堂は、豪華な装飾や高品質な素材を使用したものが多く、遺族のニーズに合わせたカスタマイズも可能です。このタイプは、特に家庭内で仏壇を持つことが難しい人々にとって、魅力的な選択肢です。お参りの際には、仏壇を開けて遺骨に手を合わせることができ、故人との距離感を保ちながら供養を行うことができます。

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自動搬送型

自動搬送型の納骨堂は、遺骨が専用のシステムによって自動的に搬送されるタイプです。利用者が専用のカードやタブレットを使用して遺骨を呼び出し、指定された場所でお参りを行うことができます。このシステムは、最新の技術を駆使しており、大都市の高層ビル内に設置されることが多いです。

費用は他のタイプと比べ高額で、一般的な相場は、80〜150万円程度です。年間の管理費も1万円から2万円と少し高めです。

自動搬送型の納骨堂の最大のメリットは、スペースの有効活用と、高いセキュリティ、そしてお参りの利便性です。遺族は指定された場所でプライベートなお参りができ、他の参拝者と顔を合わせることなく故人に手を合わせることができます。また、システム管理によって遺骨の紛失や盗難のリスクが大幅に減少するため、安心して利用できます。

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合祀型

合祀型の納骨堂は、多数の遺骨を一つの場所にまとめて納めるタイプです。この方式は、個別の納骨スペースを必要としないため、最も経済的な選択肢です。

費用は非常に低く、目安としては3〜10万円程度です。また、年間の管理費がかからない場合が多いです。

永代供養が基本となっており、寺院や霊園が継続的に供養を行います。合祀型の納骨堂は、費用を抑えたい人や、個別の管理が不要な人々に適しています。ただし、遺骨が他の多くの遺骨とともに納められるため、個別に取り出してお参りはできません。

合祀型は、環境への配慮や、限られたスペースを有効に活用する目的で利用されることが多く、特に都市部や郊外の霊園に設置されています。故人を供養するための施設としては、費用対効果が高く、多くの人々にとって利用しやすい選択肢となっています。

関連記事:納骨堂に入れるのは何人まで?いっぱいになった時の対処法を種類ごとに解説

納骨堂の費用に関する注意点

ここまで、納骨堂にかかる費用についてさまざまな角度から解説しました。実際に納骨堂を利用される場合、いくつかの注意点がありますので4つに分けて詳しく解説します。

注意点

支払いを滞納した場合

納骨堂の費用を滞納すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。

まず、管理費の滞納は、納骨堂の運営側にとって大きな負担です。そのため、滞納が続くと、納骨堂の利用権が停止されることがあります。たとえば、遺骨の移動や納骨堂からの退去を求められる場合があります。遺骨の移動先は、一般的には合同墓とされ、個別の供養が困難になります。

また、滞納が続くと、家族間での信頼が揺らぎ、争いの原因になることも少なくありません。これを避けるためには、支払いが遅れそうな場合は早めに納骨堂の管理者に連絡したり、支払い計画を再調整したりすることが重要です。管理者と話し合い、分割払いの提案や支払い猶予の依頼をすることで、滞納によるリスクを軽減できます。

注意点

支払う人がいなくなった場合

支払う人がいなくなった場合、納骨堂の費用をどのように確保するかが重要な課題です。たとえば、故人の直系の家族が全員他界した場合や、遠くに住んでいて支払いが困難な場合、遺骨の管理が滞るリスクがあります。このような場合には、事前に対策が必要です。一つの方法として、生前契約を結び、永代供養料を一括で支払っておくことが挙げられます。

また、遺言書に納骨堂の費用に関する指示を明記しておくことも有効でしょう。さらに、万が一の際には誰が支払うかまで明確にしておくことも大切です。また、公的な支援制度や、宗教団体の支援を活用することも考慮しましょう。事前に相談しておくことで、支払う人がいなくなった場合の対応策を確立し、遺骨の管理が適切に行われるようにしましょう。

注意点

家族や親族全員で話し合い決定する

納骨堂の費用に関することは、家族や親族全員で話し合い、決定しましょう。

まず、全員が納得できるように、費用の内訳や必要な金額を明確に説明し、共有します。家族間でのコミュニケーションをとり、それぞれの意見や希望を尊重しながら、最適な解決策を見つけることが求められます。特に、永代供養料や管理費などを長期的に支払う場合、話し合いの結果を文書に残し、全員が署名することで、後のトラブルを防ぐことができます。

さらに、話し合いの過程では、誰がどの費用を負担するかだけでなく、支払いのタイミングや方法についても明確に決めておくとよいでしょう。たとえば、年間管理費を複数人で分担する場合、支払いのスケジュールを具体的に決めておくことで、滞納を防ぐことができます。家族や親族全員で話し合い、明確な合意を形成することが、納骨堂の費用負担に関する最も効果的な方法です。

関連記事:【解説】お墓に固定資産税はかかるの?その他の税金についても詳しく紹介

費用を把握した上で、支払う人や方法を決めよう

本記事では、納骨堂にかかる費用や、支払う人、タイプ別の費用などについて詳しく解説しました。納骨堂をご家族や親族で利用される方がおられる場合、自分でもしっかりと内容を把握しておくことが重要です。

もし、自分だけではわからないことがあればお気軽にご相談ください。

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監修者

海庵

僧侶でもあり、何度でもお墓の引っ越しができる「納骨堂転葬サービス」の会社、株式会社徳禅庵代表の海庵誠二です。お墓や終活、遺産整理に関するお役立ち情報を発信しております。


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